単位変換や気象計算覚え書き

  • 2011.05.30 Monday
  • 12:47

GSMやMSMデータ(GRIBデータ)の単位変換覚え書き
(↑にかかわらず、気象で使う単位変換も書くかも?)

ValueはGRIBで取り出した復元データ
Resultは変換したい単位
[]内は単位

■上昇流 [Pa / s] → [hPa / h]

Value[Pa / s]  x  (3600 / 100)  = Result[hPa / h]
(または、Value[Pa / s]  x  36  = Result[hPa / h]


■上昇流[hPa/h] → [cm/s]
まず、この変換は次のことを考えないといけない。

例えば、850hPa面(約1500m)から700hPa面(3000m)へ 30hPa/h で上昇している場所があるとする(高度は、GRIBデータの同一点の高度データや天気図から読み取るなど)。

続いて計算を行う。

・気圧間の移動時間を求める

850hPa - 700hPa = 150hPa差

この気圧面間を30hPa/hで上昇しているのだから、

150hPa/30hPa・h-1 = 5時間かかる

・時速を求める
3000 - 1500 = 1500m差

これを5hかけて上昇するので、

1500m/5h = 300m/h = 30000cm/h = 30000cm/3600s = 8.3cm/s

となる。

つまり、850hPaから700hPa面で、高度1500mと3000mが与えられたとき、
30hPa/h = 8.3cm/s となる。

hPa/h → cm/s 変換は高度差によって変化する値である。

なお、1/4〜1/3してもだいたいこのくらいの値になる。

30hPa・h-1 / 4 ≒ 7.5cm/s
30hPa・h-1 / 3 ≒ 10cm/s

試しに、10hPa/hだった場合で計算すると、上の例ならば、10hPa/h = 2.8cm/s

10hPa・h-1 / 4 ≒ 2.5cm/s
10hPa・h-1 / 3 ≒ 3.3cm/s




■ビューフォート風力階級[階級]→[m / s]

0.836
* (Value[階級] ^ (3 / 2))  = Result[m / s]


風速変換 [m / s] → [kt(ノット)]

Value[m / s]
/ 0.5144 = Result[kt]
※1[kt]=1852[m / h] = 1852[m] / 3600[s] = 0.5144[m / s]


ちなみに風の東西成分は 西→東が+ 南→北が+(東→西が− 北→南が−)



 →+

■風速風向の計算
ちょっと長くなるので、こちらで解説

風向風速計算機はこちら


■渦度
(v2[m / s] - v1[m / s]) / X[m] - (u2[m / s] - u1[m / s]) / Y[m]= Result[s-1]

Result>0:低気圧回転 Result<0:高気圧回転
また、非常に小さい値なので、天気図などでは10E6をかけ算して表記することが多い。
※各風成分の位置は図を参照

なお、実際にGRIBデータをこの式に当てはめる場合は、たとえばMSMは約5kmメッシュだから5km(5000m)で割り算としてはいけない。
ちゃんと、扇形(地球は丸いので)で考えるか、近似的に直線として考えて、緯度毎に経度方向の距離を出すか(下記)しなければならない。


たとえば、MSMはここで解説しているとおり、地球半径6371229m(Re)で球体として考えるので、
MSMデータで緯度35度の緯度経度の距離(1格子点間:緯度=0.1度、経度=0.125)を求めるには

緯度 = 2 x π x Re x 格子間の緯角 / 360度 = 2 x π x Re x 0.1 / 360 =  11119.89234 [m]

経度 = 2 x π x (Re x Cos(緯度)) x 格子間の経角 / 360 = 2 x π x (Re x Cos(35)) x 0.125 / 360 = 11386.10318

と計算できる。

で、35度のある点(図で言うところの十字の交点)の渦度を求めるためには、
それぞれ隣接する点の東西南北成分を使うので、距離としては2倍になる。
したがって、式のXとYの距離は

X = 11386.10318 x 2 = 22772.20637
Y = 11119.89234 x 2 = 22239.78469

で割り算することになる。

なお、MSMやGSMデータで渦度計算をする場合、
隣接したデータを取ってくると非常に大きな値となってしまう。
高層天気図(GSMデータ)に描かれている渦度と同じオーダーにする場合は、2格子となりのデータで計算した方が近い値となるようだ。


また、実際には地球は丸いので、Cos関数などを駆使して計算することになります。
気象の教科書(例えば、下記レビューの書籍など)にそれについて書かれていますので、
一読してみてください。



渦度計算機を作ってみました。

渦度の位置関係
渦度


■収束発散
(u2[m / s] - u1[m / s]) / X[m] + (v2[m / s] - v1[m / s]) / Y[m] = Result[s-1]

Result<0:収束 Result>0:発散
こちらも非常に小さい値なので、10E6した方が見やすい。
また、渦度同様に距離は緯度毎で考えるか、または扇形で考える必要がある。


収束発散計算機を作ってみました。

収束発散の位置関係
収束発散


■降水の変換
Value[kg/m2] = Result[mm/h]

※1kg/m2 = 1mm/h
kg/m2 = (kg/m2)/h



 
■海面更正気圧
GRIBデータには既に変換された値が入っているが、
考え方をここでは示す。

基本公式は

p0 = p1 (1 - Γ x z1 / T0) ^ -(g / Rd * Γ)

p0:求める海面更正気圧 p1:観測点の気圧 T0:海面の気温 z1:観測点の高度

である(一般気象学より)。

T0は海面更正したときの気温なので、実際には不明であるが、温度減率が分かっているので、
現地気温T1から求められる。つまり、

T0 = T1 + Γ x z1

となる。

重力加速度 g = 9.80665m/s2 気体定数 Rd = 287J/K kg 温度減率 Γ = 0.0065K/mをそれぞれ代入すると

p0 = p1 (1 - 0.0065 x z1 / (T1 + 273.15 + 0.0065 x z1)) ^ -5.25684803

※Kで計算するので、273.15を加算している

が成り立つ。
いつものValue,Resultで書くなら

Value[hPa] * (1 - 0.0065 * Z[m] / (T[℃] + 273.15 + 0.0065 * Z[m])) ^ -5.25684803 = Result[hPa]


なお、気象観測の手引きによると

p0 = p1 + p1 x (e ^ (g x z1 / Rd x Tv) - 1)

という式があるらしい。Tvは仮温度で

Tv = 273.15 + Tm + Tε

という式で与えられ、

Tm = T1 + Γ x z1 / 2

TεはTmの温度で変化する式で与えられる(詳しくは気象観測の手引き参照)。

海面更正気圧計算機はこちら



関連投稿
単位変換覚え書き〜風向風速

気象データを解く〜データを入手する
気象データを解く〜データを開く、前に用語とか整理
気象データを解く〜データを開く まずは基本的な第0節から
気象データを解く〜データを開く 第1節を読む
気象データを解く〜データを開く 第3節を読む
気象データを解く〜データを開く 第4節を読む
気象データを解く〜データを開く 第5節を読む
気象データを解く〜データを開く 第7節を読む
気象データを解く〜データを開く 続くデータを見ていく
気象データを解く〜データを開く surfファイルを読む
気象データを解く〜データをパソコンで解析する その2
気象データを解く〜データをパソコンで解析する その3

参考URL
気象観測ガイドブック(気象庁) 一番下に気象観測の手引きがある


■上昇流の変換公式の導き方

{}内は何かの値、または結果
[]内は単位

{hPa} x 100 = {Pa} 例 1[hPa] x 100 = 100[Pa]
{h} x 3600 = {s}  例 1[h] x 3600 = 3600[s]

{hPa / h} = ({Pa} / 100) / ({s} / 3600)
       =({Pa} / {s}) x (3600 / 100)
       ={Pa / s} x 36

Value[Pa / s]  x  36  = Result[hPa / h]
コメント
コメントする








    
この記事のトラックバックURL
トラックバック

calendar

S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< December 2018 >>

search this site.

よく使う、検索される投稿

categories

アマゾン

楽天

selected entries

archives

recent comment

  • MacでBlu-ray編 〜 BD-Rを焼く その4 無料のライティングソフトを使ってみる編
    rockecco (12/03)
  • あの、クラスとかメソッドとかプルダウンできるバーって〜Visual Studio 2015
    rockecco (12/03)
  • MacでBlu-ray編 〜 BD-Rを焼く その2
    rockecco (12/03)
  • あの、クラスとかメソッドとかプルダウンできるバーって〜Visual Studio 2015
    やま (11/29)
  • MacでBlu-ray編 〜 BD-Rを焼く その4 無料のライティングソフトを使ってみる編
    ブルーレイ 書き込み (11/20)
  • MacでBlu-ray編 〜 BD-Rを焼く その2
    ブルーレイ 焼く (11/13)
  • プリンセスパフュームのキーがいくつ出るか考えてみる
    Y. U. (11/09)
  • プリンセスパフュームのキーがいくつ出るか考えてみる
    rockecco (11/08)
  • プリンセスパフュームのキーがいくつ出るか考えてみる
    Y. U. (11/08)
  • プリンセスパフュームのキーがいくつ出るか考えてみる
    rockecco (11/08)

recent trackback

profile


※当ブログはリンクフリーですが、 取材や雑誌等で掲載される場合は、事前にお知らせください

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM