なぜ燃焼開始からしばらく見えなかったのか〜H-IIAF23の追跡

  • 2014.03.06 Thursday
  • 22:32

さて、小笠原から帰ってきて写真などを見ながら分析です。

まず赤いオーロラのような現象についてですが、
第2段エンジンの排気ガスが超高層大気(2段燃焼中は高度239〜399kmを飛行)に
触れて反応して赤い光を放ったと考えられます。

参考
オーロラ(JAXA 宇宙情報センター)
 
追記
励起状態(不安定な状態)から安定な状態に戻る際に発光するというのが一般的な解釈だそうです。
身近なものでは、ネオンサインがその仕組みを使った発光になります。

こちらに詳しく説明が載っています
大気光のしくみ(NICT)

ロケットとオーロラ

オーロラについては、観測ロケットで人工オーロラを作る実験が過去にありましたので、
夜間撮影する際にもしかしたら出るだろうと、だいたい予測はしていましたが、
やはり本当に写ってくれると興奮ですね。


さて、オーロラ現象よりも一番気になっている点は、

第2段エンジンが点火した場所はほとんど真西であるのに、
真南方向でようやくその光を見る(見つける)ことができたのか、についてです。

上の写真(前回の投稿)を見ていただければ分かるとおり、だいたいてんびん座付近から急に発光し出しました。

現地でも何十人もの目がいろいろな方向を見ていましたが、
やはり南を通過してからようやく見えた感じで、はじめは衛星かなにかの間違いでは?という話も出ていたそうです。

図に書くと、下図のような感じで、
緑線までが第1段燃焼
ピンク色は第1段燃焼停止〜第2段燃焼開始までの、おそらく見えない区間
ダイダイ色から第2段の燃焼が開始されるはずで、見えてもおかしくないのですが、
父島からは赤いラインまで飛んでようやく2〜3等の明るさで見えた感じになります。

H-IIAF23の追跡


さて、私は何度か種子島の夜間打ち上げを見ていますが、
その際は、第1段、第2段共にずっと星空を追尾することができました。
また、海岸で見ていた方の話では、水平線に沈むまで追いかけることができたというのも聞いています。

ですので、小笠原で見えないということはないはずなのですが、
予想とは裏腹にずっと見えなかったため、自分の見え方予想が間違っているのではと疑いながらも
パラボラが追跡する方向をジッと眺めて、ようやくチラチラと輝くロケットを見ることができた感じになります。

ではなぜ見えなかったのか、
おそらく、ロケットを見る角度(方向)ではないかと感じています。

H-IIAF23の追跡

地図のように、父島はほとんどロケットの進行方向に位置しています。

つまり、エンジンのノズル部分は父島の真反対に位置しており、
どの程度の火を出しているかは分かりませんが、見えにくい関係にあります。

だんだんと南下するにしたがって、ノズルや火が見えてきて、
丁度南を通過するタイミング、地図で言うならダイダイ色から赤色へ変わるあたりから
チラチラと見え始めたと考えるのがシックリくるかなと感じています。
(超高感度なカメラであればもしかするとダイダイ色の部分も写っていたかもしれません)


ということで、ロケットを遠方から観測する場合、
そのロケットの進行方向も考えておかないと、ノズルが見えない(飛跡がたどれない)観測地もある
ということが今回父島方向から観測して分かりました。

ただ、小笠原以外はほとんど東(観測点からロケットが見える方向)に位置しているので、
たぶんかなりレアなケースではないかと思いますが・・・。


それと、私の見え方予報も若干ズレがあることを確認しました。

下は現地で知り合った方が撮影された写真ですが、
実際に飛行している場所はさそり座のど真ん中を通過していますが、
上の星図(私の予想軌道)ではさそり座より左を通過する予想となっています。

見え方予想ではだいたいこのくらいのズレは出てしまうと言うことも
考慮に入れて活用していただくことになります。

H-IIAF23の追跡 後藤さん撮影
gonchancafe218さん撮影



関連記事
ムフフ(ロケットオーロラをとらえた)

関連URL
gonchancafe218さん撮影のその他の写真
コメント
こんばんは。

オーロラ現象の写真綺麗ですね!
私はロケット等に関して知識があまりないので、まだよくわからないことが多いです。ロケットが点火された後燃料が燃焼しますが、それに段階があるのを初めて知りました。それは、ロケットに内蔵されている液体燃料や固体燃料が順々に燃焼するような仕組みになっているということでしょうか。

(もし、分かり易い本などがあれば教えて頂けると嬉しいです。)

追伸:facebook始めました!

  • アカポ
  • 2014/03/06 10:15 PM
アカポさま

コメントありがとうございます。

ロケットについての簡単な解説はこちらをどうぞ。
http://www.jaxa.jp/projects/rockets/h2a/index_j.html

簡単に説明しますと、H-IIAの場合、本体部分の液体ロケット(1段2段の多段式)、
その両脇にブースターという固体ロケットが付いています。

そして、一番上にフェアリングという部分があり、そこに目的の衛星が搭載されています。

こんな感じです。
http://www.jaxa.jp/projects/rockets/h2a/images/photo1_zoom.jpg

小さな衛星(といっても2〜10t)を宇宙に運ぶためだけに、
300t近くの燃料(ロケット部分)が必要になります。

で、打ち上げるということは、だんだんと燃料が減っていくわけで、
最終的に空になってしまえば、空の燃料タンク(ロケット)はただのお荷物になってしまいます。

できる限り身軽にして、より高いところへ行くために、
不要部分を切り落と(分離)していくことになります。

多段式(1段とか2段とか複数ロケットが付いている)の場合は、
切り落としたロケットを踏み台にして、次のロケットが飛んでいく感じになります。
(順々に燃焼していくイメージでだいたいあっています)

打ち上げ工程の略図はこちら
http://www.jaxa.jp/projects/rockets/h2a/images/photo2_zoom_j.gif

ザックリ説明でした。
  • rockecco
  • 2014/03/06 11:48 PM
こんばんは

写真提供者のgonchancafe218です。

今の説明で何故発見が遅れたのか
よく分かりました。

私もさそり座にかかる辺りでようやく見つけれたのでした。

当日、軌道を聞かせていただいたおかげで
撮影することができ
本当にありがとうございました。

実は星景写真に初めてトライしたのですが
ハマってしまいそうです。
  • gonchancafe218
  • 2014/03/11 2:30 AM
gonchancafe218さま
コメントありがとうございます。


種子島からは第1段の燃焼まで見えている、
点火が遅れたというわけでもないので、

あくまで推測ですが、たぶんこんなところだと思います。

ただ、オーロラが写っているのは、光り始めてからのような感じもするので、
この推測が正しいのかは分かりませんが・・・。


星景写真はまってください。
ただ、都会はどうしても光害で良い写真が撮れないんですよね。
それを逆手に撮るというのも面白いかもしれません。
(都会でも見られる星空を題材に写真を撮ってみたいと常々思っています)

  • rockecco
  • 2014/03/11 12:57 PM
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