富士山 de H-IIB F5(御来ロケット)を検証してみる

  • 2015.08.22 Saturday
  • 00:51

というわけで、検証もせずに速報を打ちましたので、
ちゃんと検証しなければなりません。

富士山から H-IIB F5 

富士山から H-IIB F5 

最初に、富士山とロケットの軌道を、手近なGoogle Earthを使ってプロットしてみると、こんな感じになります。

富士山から H-IIB F5

次にそれらを富士山と射場(紫線)やブースターの燃焼終了、分離点(緑線)を線で結んで、
富士山から見た方向関係がだいたいこんな感じになります。

ここで、画像が縦に長いので、ちょっと横にしていますが、それと、日本が斜めになっていますが、
真横が富士山から見た(撮影した)正面になっています。

次に、富士山付近を拡大すると、こんな感じになります。
こちらは上が写真の正面です。

富士山から H-IIB F5
 
写真の画角は40mm(35mm換算)で撮影していますので、
横におよそ48度の視野角があると換算されます。
中心が赤い線で、左右24度に橙の線で表現してみました。

さて、準備ができたので、実際の写真の位置関係を調べていきます。

いろいろと矢印を引っ張っていますが、
黄色い線は、Google Earthの衛星写真と
それに該当する写真上の建物などの位置を結んでいます。

その上で、謎の赤い光線を降ろしていくと・・・
どうやらブースターの緑線の上くらいにプロットできます。
(Google Earthの目線位置が違うのと、見え方予想のデータを使っているので、ズレはあると思います)

また、一番右の黄色い矢印(位置)よりも赤い謎の光線が右側、視野角より内側に入っているので、謎の赤い線はロケットの光跡であろうと考えられます。
富士山から H-IIB F5
続いて、見え方予想図と照らし合わせてみます。
写真の中心は314度くらいを中心に撮影していることがGoogle Earthから確認できているので、
予想図に40mmのフレームを描画してみます。

次に、ブースター燃焼終了付近の仰角を計算すると、
-0.2度くらいになります。

ここで、見え方予想の0度は目線の0度なので、
実際の水平線はそれより下になります。
計算すると、だいたい-1.9度くらい目の下に見えます。
なので、
富士山から見たブースターの燃焼終了は実際の水平線から
1.66度くらいの高さに見えることになります。

写真の縦の視野角は約33度、画素数から謎の赤い光線の仰角を計算すると、だいたい0.77度と計算されました。
※写真の歪みとかは考慮に入れていません

ちょっと足りません。
それもそのはず、見えている部分だけを使っているので、
写っていない部分もあるはずです。

実際、写真中央に御前崎が写っており、そこがおおよそ水平線と考え(実際にはもうちょっと上ですが)計算すると、
合計が1.57度くらいと計算されました。

レンズの歪み、目線の水平が御前崎から考えている、
見え方予想の高さズレ、インターバル撮影の間の空白(写っていない間)などの誤差が含まれますが、
ほぼ卓上計算の仰角に等しいと考えられ、

見え方予想からみても、ほぼロケットに間違いないと考えられます。


 
富士山から H-IIB F5

富士山から H-IIB F5


続いて、時刻から見ていきたいと思います。
写真に実際に写っていたのは3枚で、撮影時刻が20:52:29〜20:52:41の範囲(5秒露出のインターバル)となります。
カメラの時刻はあらかじめGPSで合わせているので、ほぼ狂いがないと考えられます。

次に、飛行計画から時間を割り出すと、打ち上げが20:50:49で、
20:52:43にブースターの燃焼終了と計算されます。
したがって、写真はブースター燃焼中のものと考えられます。

ブースター燃焼後が写真に写っていないのは、小笠原と同じ現象が考えられ、
おそらく1段目の噴射が富士山とは反対方向を向いているため、光が弱く写らなかったのだと推定されます。


それと、もし飛行機だったとしたら、という点ですが、
飛行機の場合、点滅して写る、5秒間だとそれほど動きがないので、
20枚(2分くらい)写真を重ねてようやくこんな感じになります(中央の白い点々)。

富士山から H-IIB F5

しかも、結構近く(浜松とか上空)を通過しているのに(こちらは目視で確認できていた)、
赤い線より暗くてハッキリしません。しかも20枚重ねてもこの暗さ。
着陸時によく見られる前照灯という可能性もありますが、
おそらくすごい近くでない限り5秒間で線上に写るというのはないと思いますし、
近くであれば気がつくかなと思われます。
あと、着陸するような飛行場も見ている視野には近くにはありません。
(名古屋とかはありますが、前照灯を付ける距離ではないと思っている)



ということで、これらの検証から、99%はロケットであろうと言って良いと思います。
もしかしたらUFOかもしれませんが〜。


残念ながら、残り1%は、目視観測ができなかったためあくまで上のような推定からでしか判断できないという部分になります。
また、今回富士山では始めての観測なので、もう一度くらいは足を運んで確認して見ないと分からないといった感じの1%になります。

1%とか2%とかの判断は人それぞれあるでしょうけど、まぁ、そんな感じの残件が1%ということになります。

 
追記150828
JAXAでH-IIB打ち上げ写真集が公開されましたが、広角撮影でブースター分離までの感じがオレンジ色で、
富士山撮影のそれと同じような感じですね。




もし夏季期間で打ち上げがあるようなら、
今度は目視による観測をして、100%富士山で見えたと言えるようにしたいところです。


ということで、富士山でもロケットが99%見えるようですので、
もし今後夏季期間に打ち上げがある場合は、是非日本一の山で日本一のロケットの御来ロケットを見て見てください。

なお、山小屋によっては20時以降は外に出られない(※)ところがありますので、
必ず宿泊する山小屋に事前に外出(といっても小屋の前のみ)しても良いか許可を取るようにお願いします。


今回撮影に協力していただいた、九合五勺の山小屋のスタッフの皆様に感謝いたします。
また、宿泊されていた方(特に隣で寝ていた方には)にご迷惑をおかけしたこと、お詫び申し上げます。


※ご来光を見るために早くから就寝されている方がいます。
トイレ以外で出入りすると他の登山客に迷惑がかかるため外出を禁止しているところがあります。

また、外(登山道)は真っ暗で懐中電灯なしには歩けないため、場合によって滑落する危険があります。
そういった安全面でも外出を禁止しているところが多いようです。

その他、夜間登山者など予約者以外の侵入を防ぐ(防犯)ため、出入りを禁止しています。

まずは、予約前に当日外出しても良いか必ず許可を得るようにしてください。

とにかく山小屋のルールを無視するような行為は絶対にやめてください。



関連記事
ムフフ(ロケットオーロラをとらえた)
なぜ燃焼開始からしばらく見えなかったのか〜H-IIAF23の追跡


 
コメント
凄過ぎます...。
  • 菊池
  • 2015/08/24 1:47 PM
ありがとうございます。
肉眼で見られなかったですが、写真に写っていた良かったです。
  • rockecco
  • 2015/08/25 9:20 AM
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