昨年くらいに、
金環日食の図の疑問を考えるという記事を書いたが、
先日、といっても半年くらい前にたまたまLED電灯でできた自分の影を見ながらふとひらめいた。
これを使って日食を再現してみればいいのだと。
さて、どういうことかというと、
最近よく見かけるLED電灯は、写真のような感じで複数のLEDを使って手元を照らすものがある。
これは、記事で描いた点光源と全く同じ構造である。
これを使えば簡単に日食を再現できるのではないか?
ということで、早速実験である。
まず手始めに、真ん中の1点だけを光らせてみると
(複数ある他の光源は写真のように黒のビニールテープ等で遮光する)
こんな感じで壁に影ができる。
壁が地面(地球)で、影は月の影となる。
続いて端を片方づつ点灯させると、
先ほどよりも左右にずれた位置に影ができる。
この写真だけではずれているのか分かりにくいので、
画像処理ソフトで重ねあわせて見ると・・・。
こんな感じで影がずれていることが分かる。
では、実際にこんな影ができるのか、上の図のようにLED電灯の両端と真ん中の3つの明かりを点けてみると、
合成写真と同じ影が投影されることが分かる。
写真を見ると、3つの影が重なりあう場所があると思うが、
この部分が、太陽がすべて隠れて見えない場所、つまり、皆既日食の見える場所ということになる。
ところで、明かりを全部点けると
どんなに光源を増やしても絶対に影ができることが分かる。
さて、金環日食であるが、模型を若干遠ざけることで再現できる、と思われる。
図で描けばこんな感じなわけである。

では早速、先ほどより模型を壁から離してみると、
おそらく金環日食ではこんな影になる・・・はずなのだが・・・。
???ムムム
本当にこれが金環日食?と疑いを持ってしまう。
私もこれを見ても本当に金環日食であるのかが分からない。
ならばということで、実際に影の位置(壁面)に立って目で確かめて見れば良いのだが、
その前に、
LEDであっても直視するのは非常によろしくないので、
まずはできるだけ光源部分を減光してから、
(失明する可能性もあるので、できればカメラやビデオで撮影してもらった方が確かです)
実際に目視で観測してみると、
こんな感じで端のLEDだけが見えるので、確かに金環日食(太陽の端だけ見える)が再現できたようだ。
試しに、ちょっと模型を近づけると、皆既日食が再現できる。
あと、部分日食はこんな感じになるのかな。
LED電灯を使うことで、日食が再現でき、金環日食の図がこれで証明することができた。
実験ついでに、ハイブリッド日食、というのか、超極細金環日食はこんな感じであろうか。
それと、近づけたり遠ざけたりしたときの影が変化する様子(電灯はすべて点灯)を動画にしてみました。
ふと、模型は丸ではなく、四角の方が良かったかなと写真を見ながら思ったが、まあいいか。
もし実験してみたい方は、
・LED電灯(直線1列で複数光源があるもの)
・適当な月の模型(3〜5cmくらい)
・黒のビニールテープなど遮光するもの
を用意するだけで手軽にできるので試して見てください。
なお、光源を直視するのはとても危険ですので、直視は絶対にしない(失明の危険があります)、
どうしても目視で確認したい場合は、電灯をあらかじめ減光するなどの処置をしたり、
サングラスをかける等で目を保護する、長時間見ないなど細心の注意をはらって実験をしてください。
それと、本物の太陽で実験するなどの危険行為は絶対にしないでください。
注意を怠ったなどで目などを痛めたりしても責任は負えませんので、あしからず。
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